下唇板が11歯(中央歯は2歯のものもある) Orthocladiinae group へ
Eukiefferiella , Paraphaenocladius , Parametriocnemus
Paracricotopus ,Tvetenia ,Cardiocladius , Thienemannia , Chaetocladius
下唇板 | 大顎 | 触角 | ST | その他の特徴 | |
Eukiefferiella | 中央歯は広く1本のものや、 切れ込みがあり2本になるもの など多様 側歯はいずれも5対 |
内側の縁に3本の鋸歯 がある、 鋸歯の長さは種により さまざま |
多くは5節、 claripennis タイプは 4節 |
やや広い針状 | |
Paraphaenocladius | 中央歯は広く、窪む種もある。 副下唇板は広い楕円形で、2重。 側歯は5対 |
内側の縁の鋸歯はない | 5節 | 広い羽根型 | 後擬脚および肛門鰓は第12体節の下部に位置する。 |
Parametriocnemus | 中央歯は切れ込んで2歯に見える 副下唇板は1重 側歯は5対 |
内側の縁の鋸歯はない | 5節、3〜5節は短い | 広い羽根型 | 2対の肛門鰓は尖った大型の円錐形。 |
Paracricotopus | 中央歯は第1側歯3本分の広さ 側歯は5対 |
内側の鋸歯はない 指状突起は先端がかぎ型に 曲がる |
5節、第2節の指状 突起は長い |
2叉 または 長い羽根型 |
肛門鰓が2対ともに 後擬脚より長い |
Tvetenia | 中央歯は広く、中央で切れ込む 種がある |
内側の縁に1〜3本の 鋸歯がある |
5節、 | 先端が3裂、 櫛の歯状も ある |
頭部の眼点は1つで、前方が尖って、前後に2つに分かれることはない。 各体節に比較的長い、目立つ剛毛が散在する。 |
Cardiocladius | 中央歯は広く、先端は切ったよう に平坦 |
内側の縁に2〜3本の鋸歯を 有する種もある |
5節 | 太く、短い針状 | 尾剛毛は4〜5本、 そのうちの2本は太く、 長い |
Thienemannia | 中央歯は深く窪み、2本に見える 側歯は5対 | 側歯は4本 指状突起は鋭い | 5節 触角比は1.0 |
7〜8裂の羽型 SUは細い針状 |
前大顎は2裂 内側の繊毛は多い 体節の背面に薄紫の太い 縞模様を有する |
Chaetocladius | 種により差異が大きいのでChaetocladius の項に別記 |
種類が非常に多いが(約50種が確認されyている)、多くは3〜5mm程度。体節は黄緑色から青紫色までさまざま。生息環境は汚濁した水域から清冽な
水域まで、種によって異なる。
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Eukiefferiella は種類が多く、したがって下唇板の形態も多様。上図のように中央歯が広い円弧状のもののほかに中央が大きく切れ込み、2歯になるものなどさまざま。側歯はいずれも5対。副下唇板は細長く貧弱。 | 大顎の内側の縁に3本の突起を有するの がEukiefferiella の特徴。突起は短い刺状のものもある。 |
ST、SUともに単純な針状、比較的太く、長い。上咽頭櫛歯は単純な3葉、前大顎は半円状。種による大きな違いはない。 |
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触角は5節のものが多いが、4節(claripennis group ) のものがある。右は4節の触角。触角比、Lauterborn器官の大きさなどは種により異なる。 |
体長3〜6mm。淡緑色〜灰緑色。国内で数種の幼虫を得ている。平瀬、早瀬の石礫面に生息。広く分布する。
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副下唇板が2重になるのが本種の特徴 | |
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・下唇板の中央歯は大きな円弧か中央で窪む(上の写真)。 側歯は5対、外側ほど小さい。 副下唇板は2重で、内側は大きな卵形。 ・触角は5節。触角比は種により多様。Lb器官は比較的大きい。 ・大顎の側歯は3、指状突起は短い刺状。 ・STは羽根型で、先端の縁は鋸歯に縁取られる。 SUは太く、長い針状 上咽頭櫛歯は単純な3葉。 ・前大顎は3〜4裂。 ・後擬脚および肛門鰓は第12体節の下部に位置する。 肛門鰓の形態は円錐形、くびれのあるものなど多様。 ・尾剛毛は6〜7本。台の高さは種によりさまざま。 |
体長4〜10mm、灰緑色の比較的大型の幼虫。比較的清冽な水域の、平瀬〜早瀬の石礫面に生息する。国内では10余種確認しており、広く分布する。
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副下唇板は1重、中央歯は2本 | 触角の第3〜5節が短い | 肛門鰓の先端がとがっているのが本種の特徴 |
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・ 下唇板の中央歯は2、側歯は5対。副下唇板 は大きい膜質の1重。 ・ 触角は5節。触角比、その他形態は種により 異なる。 ・ 大顎の側歯は3.指状突起の先端は刺状の ものと、小さく2〜3本に分岐するものがあ る。 ・ STは羽根型で鋸歯に縁取られる。SUは 太く、長い針状。上咽頭櫛歯は3葉。 ・ 前大顎は2〜5裂。種により多様。 ・ 肛門鰓、後擬脚は大12体節の後方に位置 する(前述Paraphhaenocladius と異なる。) 肛門鰓は長円錐形でくびれるものがある。 ・ 尾剛毛は5〜7本。 |
Paracricotopus
体長2〜5mm。体節は灰緑色〜淡黄褐色。眼点は1対。体節に目立つ剛毛はない。清冽な水域の平瀬,、早瀬の石礫面、砂礫底に生息。
国内に10種余り確認している。
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下唇板の中央歯は第1側歯2〜3本分の広さ。側歯は5対。副下唇板は細長く、下唇板の両側下方に伸びる。 | 肛門鰓は2対ともに非常に長い円錐形で、後擬脚と等長またはより長い。尾剛毛台は高さと径はほぼ同じ。台の内側に小さい膨らみがある。尾剛毛は長く、太い3本と短く細い1〜2本。 |
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触角は5節、触角比は1.2〜1.5。第2節先端の指状突起は 比較的長い。ring organ は基節下端近く。 |
STは2叉あるいは先端が細い毛に縁取られる。SUは長い 針状。上咽頭櫛歯は長い3葉。前大顎はヘラ状で内側基部は 膨らむ。 |
体長4〜6mm。灰緑色。眼点1対、前方で尖るのが特徴。体節に目立つ単剛毛を有する。国内で数種の幼虫を確認しており、広く分布すると考えられる。平瀬、早瀬の石礫面に生息する。
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下唇板:中央歯は中央で膨らむものと凹むもの(下図)がある。副下唇板は明瞭。Tveteniaには2つのタイプがある。 | 触角は5節。触角比は1.4〜1.6 | 大顎の側歯は3.内側の縁に1〜3本の鋸歯がある。 |
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・STは先が3裂のものが多いが、中には 櫛の歯状に分岐したものがある。SUは 細い針状。 ・上咽頭櫛歯は3葉。前大顎はヘラ状で あるが、先端でわずかに2裂したものが ある(上 図)。 ・各体節に顕著な単剛毛が散在する。 尾剛毛は6〜7本。 |
国内各地に分布し、10種余り確認している。体節は暗緑色〜青紫色。4〜5mm から10mm以上のものまで。
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下唇板の中央歯は下唇板全体の1/3を占めるほど広く、先端は真っ直ぐなものが多い。副下唇板は下方にあるが下唇板の色が黒褐色なため観察しにくい。側歯は5対。 | 尾剛毛台は低い、尾剛毛は太く長い2本と、細く短い2〜3本。長い2本はすべての種にあるが短いものは種によって異なる。肛門鰓は短く、第12体節の下部に位置する種もある。 |
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・大顎の側歯は4、全体が黒褐色。指状突起は多くは 短い刺状。内側の縁には2〜3本の鋸歯のあるもの がある。 ・触角は5節、触角比は1.2〜1.5。 ・ST、SUともに太く、短い針状。上咽頭櫛歯は三角 形の屈強な3葉。前大顎の先端は半円状。 |
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中央歯の中央は深く窪み、2本にも見える。第1,2側歯は等大 | 触角比は0.9〜1.0.第3〜5節は だ2節と等長 |
側歯は4本 |
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1:触角 2:下唇板 3:大顎 4:体節の縞模様 5:小顎 6:後頭縁の腹面は細い 7:上唇部:STは数歯をもつ 掌状・SUは長い針状・ 上咽頭歯は3葉 8:前擬脚の鈎爪 9:後擬脚の鈎爪 10:肛鰓 11:尾剛毛台 |
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体長5mm前後、生体は青紫色〜紫褐色の幼虫。種により異なった特徴を有する。とくに上唇膜は多様。(写真、図参照)
国内に数種みられるが、個体数は少ない。広く分布する。
下唇板、ST、前大顎の形態から大きく分けて下記の3グループに分けられる。
下唇板 | ST | 前大顎 | |
Chaetocladius (1) | 中央歯は大きく、中央で切れ込む 側歯は5対 |
中ほどで大きく2裂し、先端はそれぞれが 数裂(下図参照) |
ヘラ状の先端は大きく2裂、内側の基部は1,2の 膨らみ |
Chaetocladius (2) | 中央歯は広く、ドーム型 側歯は5対 |
中ほどで大きく2裂し、先端はそれぞれが 数裂(下図参照) |
ヘラ状の先端は大きく2裂、内側の基部は1,2の 膨らみ |
Chaetocladius (3) | 中央歯は広く、ドーム型 側歯は5対 |
笹の葉状で縁は細かい鋸歯(下の写真では 確認しがたい) |
ヘラ状の先端はマルク、内側の中ほどに大きな くびれがある |
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中央歯は大きく、中央で切れ込む。すべてが図のよ うに突出するものではない |
SUは太く長い針状。上咽頭櫛歯は長い3葉。 上唇膜は多様。 |
触角は5節。Lb器官および指状突 起はやや大きい。 |
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中央歯は広くドーム型。大きさは多様。 | SUは太く長い針状。上咽頭櫛歯は長い3葉。 上唇膜は多様。 |
図はChaetocladius (2)のもの |
・大顎の側歯は4本、第4側歯は基 部に融合 ・肛門鰓の形態は円錐形、紡錘形 などさまざま ・尾剛毛は6〜7本 |